| −オペラ「サルタン皇帝の物語」より「3つの奇蹟」− |
Nikolai Andreevich Rimsky-Korsakov(1844-1908)
ちなみに、有名な「熊蜂の飛行」はこのオペラの第3幕第1場で演奏される音楽です。
前者は大編成のシンフォニックバンドを前提とした編曲。原曲の木管楽器のパートがそのまま転用されているため、多くのパートを要求されています。例えば、オーボエ、バズーンが各2パート、ソロ・クラリネットが3パート、イングリッシュホルン、また、トゥッティのクラリネットも場所によっては3パートに分割されていたりします。要求されている楽器を全て揃えることが可能な楽団であれば効果的な演奏が出来るとは思いますが、そうでない楽団(おそらくこちらのほうが多いように思います)にとっては、何らかの『再編曲』が必要になってきてしまいます。
それに比べて、後者は一般的な中編成のバンドでも演奏しやすいようにスコアが書かれています。
なお、録音データは(@レコード会社A録音年B演奏時間)という内容です。
●スヴェトラーノフ/ロシア国立交響楽団(@BMG A1993 B7:59) ★★★★★
私にこの音楽の魅力を教えてくれたのがスヴェトラーノフでした。巨大なスケール、(特に金管楽器の)重量感と迫力、一度は聴いておきたい演奏です。実は旧メロディア録音はこの数倍スゴイ演奏でしたが現在ではまず入手不可能。新録音はやや大人しくなった分一般的にも受け入れ易くなっているように感じます。
●アシュケナージ/フィルハーモニア管弦楽団(@Decca A1985 B8:06) ★★★★☆
スヴェトラーノフのような巨大感はないのですが、より明るめのサウンドで叙情的な面も強調され、参考用としても観賞用としても申し分のない演奏だと思います。国内盤も出ていますので入手も容易、お薦めです。大太鼓の一撃(大砲の音?)が強烈。
●チェクナヴォリアン/アルメニア・フィルハーモニー管弦楽団(@ASV A1991 B8:00) ★★★★
ハチャトゥリアン作品の録音で人気を得た『熱血』コンビ。オケはあまり上手くないし、野暮ったいところもあるのですが、そこはハートでカバー。音楽に対する一途さを感じさせてくれる演奏です。
●ゴロワノフ/モスクワ放送交響楽団(@Boheme A1952 B7:16) ★★★★
予想通りロシアン・ブラス炸裂、極めてアグレッシブな演奏。録音が古いのが救い(?)か。3つ目の奇蹟の後半、絶妙のリタルダンドと間(ま)を置いて、バイオリンの瑞々しい旋律からそれを金管が受けての盛り上がり、好きな人にはこたえられません。しかし『予想通り』では満足出来ないのがこの指揮者。もっといろいろやってくれるかと期待していたんだけど...。(2001.12.21)
●ジンマン/ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団(@PHILIPS A1981 B7:28) ★★★☆
ベートーヴェンの交響曲全集で一気に名を知られた指揮者ですが、レパートリー的には幅広いものを持っているようです。この演奏も手堅く、迫力も十分。しかし、音の色彩感にやや乏しい印象もあります。
この演奏がCDで2枚目に聞いた演奏ですが、1枚目(注:バレンボイム盤)とのギャップもあって最初はいい演奏に聞こえました。サウンドもよく、スピード感ある演奏です。特にくせも無く、譜面通りに吹いているという感じがあり、歌劇の抜粋曲というより純管弦楽曲に聞こえるような感じもあります。
(A.A.さんより)
私が最初に聴いた演奏ですが、正直言ってピンときませんでした。しかし、ある程度曲を知った上で聴き返してみると、なかなか面白いアプローチであるように感じます。スヴェトラーノフとは正反対、スケール感よりも色彩感を重視し、可愛らしい「おとぎ話」の世界の物語として描かれています。(例えば「くるみ割り人形」のような...)速めのテンポで旋律も粘ることなくあっさりと奏されますが、それでいて心の琴線に触れる、独特の魅力があります。ただし、録音が古く、またクライマックスの迫力が今一つなのが不満ではあります。
●ユロフスキー/ベルリン放送交響楽団(@CAPRICIO A1996 B8:21) ★★★
ドイツのオケによる演奏ということで興味をもったものです。サウンド的にも音楽的にも今一つ特徴に乏しいところもありますが、『仕事キッチリ』まとめてくれています。ロシア的な土臭さを求めさえしなければ、十分満足できる内容です。
●ヤルヴィ/スコティッシュ・ナショナル管弦楽団(@Chandos A1984 B7:44) ★★★
リムスキー=コルサコフのオペラを基にした組曲を集めた3枚組セットに収録されています。値は張りますが、アルバムとしては興味深いもので、魅力的な作品も多く収録されています。まろやかなサウンドでオケを豊かに鳴らしているのですが、響きが散漫な感じもします。また、アンサンブル的にやや雑なところが見られるのも気になります。しかし聴かせ所はしっかり押さえられた演奏です。
●バティス/フィルハーモニア管弦楽団(@NAXOS A1992 B7:05) ★★
メキシコ生まれのラテン系指揮者。非常にエキサイティングな演奏を聴かせてくれることもありますが、気分にムラがあるようです。冒頭のファンファーレは妙に気が抜けた感じですが、前半はテンポの緩急がなかなか心地よく聴けます。しかし、肝心の後半部分では速めのテンポで味も素っ気もないのです。「早いとこ仕事終わらせて、飲みに行こうゼ!」...そんな感じでしょうか。
●バレンボイム/シカゴ交響楽団(@ERATO A1993 B7:51) ★
部分的には面白い表現もあり、いろいろなことをやってはいるのだけれども、音楽の全体像につながってこない。オケもどことなく集中力に欠け迫力も感じられず、また、最後のクライマックスは「何でそうなるの?!」と言いたくなってしまう。私には楽譜の表面をなぞっただけの演奏に感じられてしまうのだ。
●藤田玄播/東京佼成ウインド・オーケストラ(@佼成出版社 A1989 B7:52)
藤田玄播編曲の吹奏楽版による演奏で、おそらく唯一の吹奏楽版の録音と思われます。編成が揃っており技術レベルも高く、前半は良い雰囲気を出しています。(冒頭のファンファーレは気が抜けた感じですが)しかし、後半になると段々にアヤシくなってきて主題の細かい3連符の動きは教則本をさらっているよう。クライマックスも音はキレイだけれども心を揺さぶるようなものはなし。良くも悪くも吹奏楽演奏用の「見本演奏」といったところでしょうか。
《番外》クルツ/ドレスデン国立歌劇場(Video)
クプファー演出によるオペラ版のビデオ。劇場公演のライヴ録画ではなくてビデオ用に撮影されたもののようです。歌唱は(おそらく)ドイツ語、アメリカ製のビデオですが字幕は無し、ということで歌詞の内容は私には全く判りません。しかし、上に書いたあらすじを頭に入れておけば、ストーリーを追うことは十分可能です。演奏云々よりもオペラの雰囲気がつかめるのが嬉しいですし、組曲で使用されている音楽がどのような場面で使用され(歌われ)ているのかが判るのが大変参考になります。
▼The Rimsky-Korsakov Home Page(英語です)
▼リムスキー=コルサコフのホームページ
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▼エフゲニー・スヴェトラーノフのページ(Svetlanov's page)
▼フェドセーエフのHP(Vladimir Fedoseev - Top Page)
▼モスクワ音楽センター日本支部(MMC-Japan)