−カラヤンの「だったん人の踊り」−

 ◇「ハンガリー舞曲集」より(ブラームス)(*)
 ◆だったん人の踊り〜歌劇「イーゴリ公」(ボロディン)
 ◇ポロネーズ、ワルツ〜歌劇「エフネギー・オネーギン」より(チャイコフスキー)
 ◇3つの舞曲〜歌劇「売られた花嫁」より(スメタナ)

指揮 : H.V.カラヤン
演奏 : ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音 : 1959年(*)、1971年
 (DG/433 207-2)

 「ロシア管弦楽曲集」といった類のアルバムには殆ど収録されているこの「だったん人の踊り」、元来はオペラ「イーゴリ公」の第2幕の幕切れで演奏される曲です。原曲では合唱も加わっていますが、単独で演奏される場合は合唱抜きの場合も多いようです。

 さて、上記のカラヤン盤です。序奏の木管楽器の掛け合いがいったん終止して、あの有名な旋律がオーボエによって奏されると...ああ!何という美しさ!!これはオーボエ奏者の力か指揮者の力か判りませんが、ここまで心を動かされる演奏は聴いたことがありません。ロシア的...というよりも、この旋律の持っている魅力を最大限に引き出している。旋律がイングリッシュ・ホルンに受け継がれ、そのバックで演奏されるヴァイオリンの対旋律にかけられたポルタメント(音をずり上げる奏法)の効果的なこと。そして、弦楽器でいっぱいに歌い上げられると...

 野球で言えば、1回表いきなりの猛攻で10点くらい取ってしまったようなもの。テンポが速くなってからは、カラヤンが他の指揮者に較べて、ずば抜けてスゴイということはないのだけれども、インパクトが全然違う、完全に勝負有り。この指揮者は何がこの曲の聴かせ所なのか、いかにすれば聴き手の心をつかむことができるのか、見事に知り尽くしているのでしょう。「あざとい」と言えるかもしれない。大事なのは「外見よりも中身」だと言う人もいるでしょう。でも、完璧に美しい外見はそれだけで十分すぎるほど魅力的であると思うのです。

00/06/04

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